こんにちは、店主のka2hiroです。
今日は登場からもうすぐ1年になる、Scytheのことについて書いてみたいと思います。
天キーVol.2(2019年5月)に向けて開発を始めたのが、春節も明け、PCBメーカも再稼働し始めた2019年2月でした。当時は、無謀にもHalberdとScytheの2つの新作を作ろうとしていました。と言っても、その時ゼロから作り始めたわけではなく、構想自体は以前から頭の中にあって、コンセプト的なものやレイアウト、構成するパーツなどはある程度固まっていたので、PCBやケースの設計図を作り始めたのがちょうどその頃でした。
Scytheには、「ちょっと変わった形で、少し大きめ、キーキャップセットのキーをたくさん使いたい」をコンセプトに、自分がやりたかったこと、欲しかったものが詰め込まれていますので、以下ご紹介していきます。
ちょっと変わった形
MiniAxeの分割式オーソリニア(直行配列)も良いですが、それを少し内側に向けてハの字に置くと打ち易くなるという気付きもあり、以前から気になっていたちょっと変わった形のシンメトリカルレイアウトを採用してみました。
少し大きめ60%
自作キーボードを始める前は、普通にHappy Hacking Keyboard を使っていて、特に最下段のレイアウトがすごく気に入っていたので、それを参考にキー数を60%と決めました。シンメトリカルと組み合わせると、全体のフォルムが台形のようになり、名前の由来となる「大鎌」の形が見えてきました。
たくさんキーキャップが使いたい
私はPimp My KeyboardのGrab bagが好きで、これまでに5箱も買ってしまうほど大好きなのです。しかし、MiniAxeでは36キーしかなく、しかも全て1uで、大量に余ってしまうのが残念でした。特にモディファイアキーは、色々なサイズがあり、なんとかこれを付けたり外したりして楽しめないものかと、よく考えていました。
Scytheのキー数は61〜65キーと、MiniAxeと比べると2倍近くあり、数字列もあるし、モディファイアもあるので、キーキャップがたくさん使えるようになります。(それでもフルサイズキーボードと比べるとかなり少ないですが...。)
選べるレイアウト
最下段のキーは、2.75u, 2.25u, 2uが左右の内側のキーに、 1.25u, 1.5u, 1uがその外側のキーになるように組み合わせて、レイアウトを選択できるようにしました。
選べるようにしたのは良いのですが、このレイアウト選択意外と難しいです。基本的には、使いたいキーキャップセットに合わせてレイアウトを決めていただくのが良いと思いますが、1.5uとか選ぶとセットによっては入ってなかったりするので、気軽に着せ替えができなくなってしまいます...。一度組み立てると、レイアウトの変更は大変なので、じっくり考えてみてください。
アクリル積層ケース
トッププレートとボトムプレートだけでも、ミニマルな感じでスッキリしていて良いのですが、もう少しケースぽい感じを出したかったのと、打鍵音がこもった感じになることを期待して、採用しました。内部にホコリがたまるのを防ぐこともできますしね。
色は白と黒の2色から選択できるようにしました。どちらもうっすらと基板が透けて見える感じの透明度です。
USB Type-Cインターフェース
今作るならType-Cですよねと、特に合理的な理由はなく、完全に勢いだけでの採用です。端子間のピッチは0.5mmなので、MPUの0.8mmと比べて、それ程はんだ付けも難しくない(?)と思います。
バックライト/アンダーグロウ
オプションでかぎざら屋初(!)の光物を採用しました。バックライトは砲弾型3mmのLED、アンダーグロウはWS2812BのテープLEDが使用できます。両方同時でも、どちらか一方だけでも実装可能です。
私自身は、キーボードは光る必要無い派でしたが、Scytheを作ってみて、光るキーボードも悪く無いなと、考えを改めました。アクリルケースとの組み合わせが良いのか、ギラギラとした感じもなく、思いのほかキレイです。
名前の由来
先にも書きましたが、横に並べた形が台形のようなフォルムで、なんとなく死神が持っているような大きな鎌に見えたので、"Scythe"と名付けました。
という感じで、当時考えていたことを思い出せる限り、つらつらと書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。興味を持っていただけましたら、嬉しいです。
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